「ぼくはあなたを愛しています」




         こんなこと言ったらあなたは困ってしまいますか? 
             でもぼくは初めて出合ったときからあなたに恋をしていました。 


             だからぼくはあなたを呼んだんです。 
             あなたはそれに答えてくれた。 
             ぼくがあなたをえらんだんです。



             今日まであなたと過ごしてきた日々は辛いことも沢山あったけれど、
            本当に楽しくて決して忘れる事の出来ない大切な、大切な思い出です。 
             あなたは知っているでしょうか?ぼくはずーーーとあなただけを見てきたことを。   
             あなたがぼく以外の何かに熱中している時もずっとあなただけを見ていた。
             すると、あなたが突然泣き出すものだからぼくは驚いてあなたに駆け寄りました。 

             あなたはぼくを優しく抱きしめて「なんでもないよ」と言いましたが、
            あなたを泣かせたのが音の出る大きな箱だと思うと怒らずにはいられませんでした。
             なぜあなたは、ぼくではなくあの箱を見るのですか?
             ぼくにはあなただけしか見えていないのに……そう思うとよけいに腹立たしくなってきました。


             そういえば、あなたが初めてくれたぬいぐるみですが……ボロボロになっても捨てないでください。
             あれはぼくの大切な宝物です。 
             だってあなたがくれたんですから、どんなにボロボロになっても汚れてしまっても
            あなたとの大切な日々の思い出が詰まっているんです。


             ぼくは字が書けませんから、あなたはぼくの気持ちに気が付かないでしょうか?
             いえ、きっと気が付いてますね。ぼくがあなたを想っているのと同じように、
            あなたもぼくを想ってくれている……ぼくたちは同じ気持ちでいるって思っても良いんですよね?


             だからこれからも大切な思い出をたくさん作りましょうね?
             悲しい思い出を忘れてしまうほどに沢山、沢山、思い出を作りましょうね。
             ぼく以外のことに気をとられたら嫌ですよ?



             ――ねぇご主人様?

       







                          「ぼくは世界一、しあわせです」