燃えるような真紅の月を瞳に宿して
                                 夜の森を行く。


                             凍えるような絶望を胸に
                          二度と答えるはずの無い声を求めて
                                夜の森を行く。




                            ――全てが遅すぎて……。




                           出口の無い闇に呑まれもなお
                            安らぎを求めて叫び続けた。




                            幾度も幾度も
                                  ただ同じ名を……。